アリアトちゃんねる

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付き添い入院。想像以上の肉体的精神的ストレスの実際

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こんにちは、アリアトと申します☆

お立ちより頂きありがとうございます☆

 

皆さん、「付き添い入院」を知っていますか?

「付き添い入院」とは、子供が入院する時に、親も一緒に24時間入院生活を送る事です。

今回、多くの方に「付き添い入院」の実態を知ってもらいたいと思い、私の経験を元に記事を作成しました。

 

 

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1「付き添い入院」とは

1-1 「付き添い入院」は必ず必要?

「付き添い入院」が必要なのかどうかは病院によって異なりますが、「付き添い入院」を求められる小児科は多いと聞きます。

私の子供が入院した際も、当然のように「付き添い入院」を求められ、周りの方も同じように「付き添い入院」していました。

 

1-2「付き添い入院」で求められる親の役割

病院によっても異なりますが、医療行為以外の生活介助全般を親が担うことになります。

着替え、食事、排泄、お風呂、洗濯は当然で、大人のようにベットで大人しくできない年齢なので、点滴チューブが外れないように目を光らせたり、子供の遊び相手にもなる必要があります。

 

点滴の機械が閉塞や終了の合図でピーピーなるのを止めたり

(←本当はしなくてよいけどもついつい止めるようになっていきます。むしろほんとはさわってはいけない。。。)、

子供を点滴をつけたままトイレに連れて行くにあたり、周りに引っかかったりしないように気を配ったりと、本当に休まる時間もないほど色々とあります。

 

1-3 なぜ「付き添い入院」が必要なのか

保険診療上は家族の付き添いは不要と言うのが建前で、付き添いはあくまで家族の「希望」という扱いのようです。

それなのになぜ「付き添い入院」が求められるのかと言うと、診療報酬上、基本的に一般病棟の小児の看護体制は大人と変わらないことが大きな理由のようです。

 

大人と子供とでは世話にかかる度合いが大きくことなることは容易に想像できますよね?大人に比べて世話に人数がかかる小児科病棟で、看護師を手厚く配置してもそれに見合う人件費が病院に入ってこないのであれば、

経営上の観点からも看護師を手厚く配置するのは困難なのです。

 

このため、多くの病院では「付き添い入院」により親の協力を得て、病気の子供の治療を行っているのでしょう。

もちろん、親の付き添いが前提にない小児科入院病棟もあります。

そのようなところは日本の中では小児科の環境面のひとつとして、とても進んでいるといえることが多いでしょう。

日本の小児科病棟の実態としては、海外の進んでいる国と比べるとかなり遅れているという実態もあるともききます。

 

2 親の生活環境

2-1 居住空間

「付き添い入院」前提の病棟であっても、病室の患者収容人数は基本的に大人と同じです。

私の子供は4人部屋に入院していたのですが、大人の4人部屋と同じ面積で、子供4人と付き添いの親4人の合計8人が生活していました。

仕切りはカーテンや棚のようなものしかなく、話し声は筒抜けです。

夜間トイレにおきたら、他のお部屋の方のいびきが廊下までごうごう聞こえてくることもあり、安定した睡眠さえとれないのが実状です。

 

また、明りがないと寝れない人、真っ暗じゃないと寝れない人、様々だと思いますが大部屋では難しいところがあります。

病気や薬の副作用で体調が悪い子供と、カーテンだけで仕切られた狭い空間にいることを想像してみてください。なれては来ますがやっぱり息が詰まります。

私の場合は同室者に恵まれましたが、同室者が周りに配慮ができない方が入った場合は、相当なストレスになったと思います。

 

2-2 寝る環境

子供が乳児の場合、子供のベットで一緒に寝ている方もいます。ただ、子供が4歳以上になるとそれも難しいので、多くの方が簡易ベットを借りたり、購入しています。

私は簡易ベットを購入したのですが、置けるスペースが限られるため、幅60センチと狭くて寝返りも打てず、腰痛が悪化しました。

 

また、子供の排泄のお世話(点滴でたくさん尿を出すようにしていることもあり頻回です。)や、夜中ずっと点滴などのアラーム音やバタバタと足音が聞こえたり、なかなか熟睡できずに慢性的にひどい睡眠不足になりがちです。昼間は眠くてもお世話ややることがたくさんでとてもゆっくり昼寝するような時間はありません。

この辺は付き添う子供の年齢や状態に大きく左右されます。

 

2-3 食事の環境

子供は入院食が出されますが、親は当然自分で用意しなければなりません。

しかし、調理スペースなどはなく、インスタント麺や冷凍食品、コンビニ弁当中心になります。子供が小さいと目を離せるスキはあまりないため、寝ている間やテレビを見させている間に、ささっと近くのコンビニに買いに走っていました。

本当に走ります。

2-4 お風呂の環境

私の場合、病棟内のシャワーを予約制で利用することができました。ただ、子供から長くは目を離せないため、ほんの数分であがってしまわないといけませんでした。

髪を乾かす時間ももったいないため、夫と付き添いを交代したときにバッサリと切ってしまいました。短くする方は多いです。

 

2-5 外出

コロナ禍ということもあり、交代時を除いて病院外に出ることはできませんでした。簡単な買い物は病院内のコンビニで済ませるか、コンビニに売ってないものは、ネット通販か夫に頼んで買ってきてもらったりしていました。

そもそも子供が小さい場合、長い時間離れられることはできないので、外出ができたとしても遠くまではいけなかったとは思います。

 

2-6 交代

「付き添い入院」では24時間での付き添いが必要ですが、長期間の入院の場合、一人でずっと対応するのは肉体的にも精神的にも参ってしまいます。

多くの方が旦那さんや親戚と交代して付き添っているのが実態です。

 

コロナ禍で通常時よりも制約が多く、病院によっては交代が一切認められない場合もあるそうです。我が家の場合は、平日は私(母)、土日は夫が付きそうことにしていました。

遠方からの入院となると、交代もできないということも多いです。

 

3 「付き添い入院」で生じる問題

今回「付き添い入院」を経験してみて、初めてこの問題を実感しました。

かわいい我が子のために何でもしてあげたいという親心はあるものの、当然のように「付き添い入院」が求められるのは様々な問題が生じます。

 

3-1 仕事の問題

24時間入院することになるので、当然のように仕事に影響が生じます。

短期間ならともかく、我が家のように数ヶ月以上に渡る入院の場合、休職もしくは離職する必要があります。

現に私もパートで働いていましたが、離職せざるを得ませんでした。

家庭によっては、夫婦の片方が離職することで生活基盤が不安定になったり、シングル家庭の場合は深刻な困窮状態に陥ることもあるのではないでしょうか。

 

3-2 家に残す他のきょうだい

コロナ禍ではなくても、基本的にきょうだいは小児病棟には入れませんので、家に残すことになります。きょうだいが未就学児童であれば保育園に入れたり、小学校低学年であっても放課後の預け先を確保する必要があります。

 

我が家の場合、家に残すきょうだいは小学校低学年であったため、放課後児童クラブに入れることができました。

ただ、19時までしか預けられず、夫は仕事を定時で切り上げて帰る必要がありましたので、有難いことに残業のない部署に異動させてもらうことができました。

きょうだいの預け先が確保できなかったりすると、旦那さんの仕事にも多大な影響が生じることもあると思います。

また、家に残すきょうだいは母親に会う時間が少なくなってしまうので、精神的に不安定になってしまわないかも心配です。

うちはかなりなりました。

 

3-3 親の心身の健康

ただでさえ我が子が深刻な病気で、精神的に相当なストレスがかかっているのに、まともな食事もとれず、慢性的な睡眠不足で外に一歩も出られず、常に周りに配慮しないといけない環境が続くと、親も精神的肉体的にすり切れてしまい、心身の健康を害してしまうおそれがあります。

 

夫婦で交代して付き添いするのでもかなり大変ですが、中には数年単位で母親だけで「付き添い入院」している方もおり、想像を絶します。

 

3-4 問題を「問題」にしてほしい

政府はいま「こども庁」なる組織を立ち上げようとしています。

厚労省、文科省、内閣府で縦割りとなっているこども関連の組織を統合するようなことが報道されていますが、単に組織改編にとどまらず、子育て環境の向上に実効性のある取り組みを期待したいです。

 

「付き添い入院」を経験した親の一人として、この「付き添い入院」という問題を問題として認識し、例えば、診療報酬の加算を行って24時間の「付き添い入院」がなくても看護できる体制を整えるなどの対応を是非検討してほしいです。

しかし、小学生以上は付き添い入院はなしで大丈夫とは病院から言われていても、とてもじゃないけど心配で一人でおいていくなんてできないので、付き添っているという声もよく聞きます。

看護師さんたちは本当に頑張っています。でもどうみても人手がケアの量に対して足りていません。これはほとんどどの科でもいえることです。

小児科やADLの低い患者さんの多い科はなおさらそうなのです。

とにかく過酷な勤務状況なことは入院するとひしひしと感じます。

この中に子供だけたくすことは親として無理です。ただでさえ深刻な病気の治療でさまざまな制限や煩雑な治療をうけるのに。心配でたまらないです。

4 最後に

世の中には、本当にたくさんの方が「付き添い入院」という名で、大変な思いをしています。その大変さは実際に経験してみないとわからないものですが、今回この記事を多くの皆さんに読んでもらい、愛する我が子のために、自らの仕事や生活、健康を犠牲にして頑張っている人間の存在を知ってもらいたいと思い記事にしてみました。

 

 

 

 

読んでくれてありがとうございます。

 

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